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十勝連携の会発行の「看取りの作法」。臨終を迎える患者に起こることなどが書かれている。
十勝管内の保健・医療・福祉・介護分野で働く人の連携を強化し、住民の健康と福祉の増進を目指す「十勝連携の会」(高杉美紀代表)は、臨終が近い患者を自宅でみとる際の心構えを記載したリーフレットを発行している。現状では自宅でのみとりが少ない中、家族や支える人が納得して見送れるよう、知っておくべき臨終の兆候や対応などを書いてある。同会幹事の笠松信幸さん(56)は「介護サービスなどに携わる人にも見てほしい。多くの人が在宅で安心して療養でき、みとりも行えるようになれば」と話している。
リーフレットは「ご自宅で最後まで介護されることを考える方々へ(看取=みと=りの作法)」という題名で、北斗病院(帯広)在宅緩和療養センター長の谷田憲俊さんが昨年9月にまとめた。
高齢化が進み、国が在宅での医療・介護を推進する中、自宅でのみとりは今後増えていくことが予想される。ただ、現状では多くの患者は病院で亡くなっているため、家族のほか、介護などの専門職の中にも、みとりの方法を知らない人が多い。知識不足から、救急車を呼ぶなどし、臨終の時を迎えた患者に延命措置を施し、穏やかに亡くなることができないケースもあるという。
そもそも、十勝でも訪問看護などを行える専門職の人員が限られ、家族だけでみとる可能性もある。みとる際の知識を普及し、いざというときに慌てずに見送ることができるようリーフレットを作成した。
内容は(1)臨終に向かって患者に起こること(2)死の確認方法(3)臨終への対処法(4)臨終のあとに-の4つに分けられている。「臨終前は顎を上げて空気を欲しがるような呼吸になるが、患者は意識がなく苦痛を感じていない」、「(延命をしなくてはならない)救急車は呼ばない」など計24項目が記されている。
同会は「自宅でもみとることができることを知ってほしい。疑問や不安があれば、専門職員に相談を」としている。リーフレットは両面カラー印刷のA3判四つ折り。管内市町村の役場や地域包括支援センターに置いてあるほか、同会のホームページからもダウンロードできる。