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高齢者、真冬のヒートショックに注意

高齢者、真冬のヒートショックに注意

ヒートショックの仕組みや予防について語る城岡さん

厳寒期に高齢者などで心配されるのが、大きな温度差で血圧が乱高下し、血行障害や意識障害を引き起こす健康被害の「ヒートショック」。入浴時に脱衣所と浴室の温度差で起きるものがよく知られるが、雪かきやごみ捨てなどのちょっとした外出でも注意が必要だという。帯広市健康推進課の保健師城岡佳奈さん(39)に仕組みや予防法を聞いた。

 ヒートショックは暖かい場所と寒い場所のどちらに移動した場合でも起きる。入浴時に脱衣所で衣服を脱ぐといった寒い場所への移動では、血管が収縮し血圧が上昇。血管内の血栓が押し流され、脳梗塞や心筋梗塞の原因となるほか、強い血流で血管が傷付き脳出血などを引き起こすことがある。

 一方、暖かい場所への移動では血管が広がり血圧が低下する。必要な血液が脳や心臓に届かず、意識を失い、入浴中では溺れて亡くなる例もある。

 東京都の健康長寿医療センターが調査した入浴中のヒートショックによる死者数は、全国で約1万7000人(2011年)にも上る。交通事故による死者数の3倍を超える。

 城岡さんは「ヒートショックが起きるのは入浴時ばかりではない」と指摘する。真冬のこの時期は雪かきで力を込めると血圧が一層上がる。寒さが厳しい早朝では危険性が高まる。また、短時間だからといって薄着のままごみを出すなどの行為も良くない。

 予防にはまず、危険性の高さを認識することが必要。ヒートショックは動脈硬化の原因となる高血圧、血中の糖や脂質が多い人に起きやすい。動脈硬化は老化でも進むため、高齢者は特に気を抜けない。

 さらに予防法としては、暖房で室内の温度差をなくす、入浴時はシャワーや浴槽に湯を張り浴室を暖めるといった工夫が大切。外出時は短時間でも防寒対策を取り、雪かきは準備運動をしてから取りかかってほしいという。城岡さんは「自分の体を理解し、急激な温度変化を避ければ予防は可能」と呼び掛けている。