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巻き爪の原因究明矯正具で特許、中札内診療所鈴木所長

巻き爪の原因究明矯正具で特許、中札内診療所鈴木所長

【中札内】足や手の爪が巻いて痛みが伴うこともある巻き爪について、中札内村立診療所所長の鈴木俊二医師(67)が原因を究明、痛みが伴わずに短時間で矯正できる用具「ツメフラ(ツメフラット)」などを開発して特許を取得し、国内の医療機関で活用されている。約1400の症例を分析した結果、狭い靴を履くなどの外圧が原因とする従来の説は誤りで「爪の下層で水分が失われて収縮するのが主な原因」と突き止めた。開発した矯正用具は患者自ら手軽に装着して予防もできる画期的なツールとして、多くの患者に利用されている。

 鈴木医師は山梨県出身。信州大卒、名古屋大大学院で病理、外科を研究、船医として勤務後に十勝に移り、町立芽室病院(現・公立芽室病院)、黒沢病院(帯広)を経て、1987年から現職。地域医療の中で巻き爪に悩む患者が多く、根治手術とされる爪母(そうぼ)の切除を受けた患者でも再発している例などから、2009年から本格的に研究を始めた。

 巻き爪は外から圧迫を受けていない指でも発生、足だけでなく手の指でも起こり、矯正を受けても再発するケースが多かった。さらにチューブ状に激しく丸まる症例もあり、「外圧では発生原因の説明にはならない」と判断。症例の画像を詳細に見ると、3層に分かれている爪の最下層で縦方向にひびが入り、その亀裂は指を湯につけるとなくなることも判明。「爪の主成分のケラチン(タンパク質の一種)は水分を吸って膨張し、乾燥して収縮する。その繰り返しで爪が巻く」と原因を特定した。

 さらに矯正方法として、超弾性の形状記憶合金を自ら加工して、バネ状の矯正用具を開発。この矯正方法と用具は2013年と翌14年に国内特許を取得した。

 インターネットなどで評判が広まり、同診療所では道内外から7年間で約1000人が受診した。矯正は足湯で柔らかくなった爪の巻きを「リフター」と呼ばれる用具に糸をかけて伸ばし、バネ状の「ツメフラ」をはめる。痛みはなく時間は10~45分。同矯正法は東京都や岡山県など国内約30の医療機関でも採用されている。鈴木医師は「巻き爪を研究する専門家がいなかったために誤った原因が通説となっていた。正しい原因に基づいて苦痛なく容易に矯正できる」と普及を目指している。問い合わせは同診療所(0155・67・2012)へ。