お知らせ・トピックス
医療関連トピックス
内外情勢調査会帯広支部(高橋勝担支部長)の3月例会が23日、帯広市内の北海道ホテルで開かれた。免疫学の第一人者である順天堂大学の奥村康名誉教授が「不良長寿のすすめ」と題し、たばこやコルステロールが体に与えるプラス面などについて解説した。
30人余りが出席。奥村氏は7、8月にゴルフ場で亡くなった人の約90%が「前夜に深酒」の調査結果があるなどとし、「確実に脱水を起こす。酒はほどほどにし、飲まなければいけないときは水をたくさん飲むこと」とした。また、「脳梗塞や心臓病は治療までの時間が勝負。特に脳梗塞の場合などは、発生から3時間以内に(治療の)設備が整った場所に行かないと、現代医療の恩恵は受けられない」とも述べた。
コルステロールは肝臓と脳で作られ、すべてのホルモンの原料にもなるとし、「高い数値の人は頭の回転が速く、がんにもなりにくいと言われる。病気を持っている人は別だが、血圧を下げる薬は安易に飲まないこと」と強調した。
たばこについては、咽頭がんや喉頭がんリスクが10~20倍というマイナス面がある一方、脳の若返りや、適当な刺激となり、免疫力を高め、風邪を引きにくいなどプラス面も説明した。
人間の体からは1日1兆個の細胞が生まれ、うち5000個ほどががん細胞であること、それをたたいているのがナチュラルキラー(NK)細胞で、年を取ると細胞自体が弱くなることなどを理論的に説明した上で、「NK細胞は精神的ストレスにも弱い。笑うだけでNK活性は上がる」などとした。(佐藤いづみ)
<プロフィル>
1942年島根県生まれ。73年千葉大大学院医学研究科修了。東大医学部講師、順天堂大医学部免疫学講座教授などを経て、2000年同大医学部長、08年から現職。ベルツ賞、高松宮賞、安田医学奨励賞などを受賞。
※十勝毎日新聞3月24日掲載