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【豊頃】今月末で医師が退任する町立豊頃医院(町茂岩栄町)に、後任の医院長として4月3日から山本馨医師(72)が赴任、診療を始める。山本医師はこれまで宮城県の離島で診療、道内で地域医療の集大成の場を探していた。同医院の診療科目に、新医院長が専門とする消化器内科が加わり、町民の健康を支える。
山本医師は1945年福島県二本松市生まれ。71年に東北大医学部卒。福島県内の病院で6年間勤務、同大に戻って2年間、大腸を専門に研究。99年から2007年まで後志管内倶知安町で「山本内科消化器医院」を開業した。
その後、17年3月までの10年間、宮城県気仙沼市の離島・大島医院で医院長を務めていた。11年3月11日、大島医院は標高が高いため津波を逃れたが、津波の被災者を診てきた。離島での医薬品確保にも苦労したという。
今回は町と2022年までの5年契約を交わした。診療時間は平日午前8時半から正午と、午後2時から同6時。土曜は午前8時半から正午。第2、4土曜は休診。第2、4土曜の前日の金曜は午後休診に変更となる。火、木曜は往診で不在の時間もある。大腸が専門の山本医師の着任で、大腸ファイバー(大腸内視鏡)が可能になる。
山本医師は黒沢明監督の映画「赤ひげ」に感銘を受けて医師になった。山本医師は「地域医療は病気の振り分けの正確さ、寄り添う医学だ。医者の集大成として理想に近付ける医療をしたい」と意気込む。
豊頃には妻洋子さん(67)と移住。引っ越しした3月27日、霧がかっていたが「妻は霧やもやが好きで歓迎の意味だと思った。空気がおいしい」と豊頃を気に入った様子。趣味は釣りとカメラ。山本医師は「ジュエリーアイスを撮るのも楽しみ」と、新地での生活に期待が高まる。