帯広市学校保健会（会長・菊池英明帯広厚生病院院長）の医学講演会が、とかちプラザで開かれた。国立病院機構函館病院消化器科の間部克裕部長が「ピロリ菌と胃の病気～早く退治して健康な胃に～」と題して講演した。

　市内の教員や保護者ら１４２人が参加し、２月１９日に行われた。間部氏は「ピロリ菌があると必ず胃がんになるわけではないが、胃がんのほとんどはピロリ菌によって起こっている」と語った。また、「多くは５歳くらいまでに感染し、ほとんど自然に消えることはない」とし、早期除菌の必要性を訴えた。

　市は来年度から、中学３年生（希望者のみ）を対象にピロリ菌検査を実施する方針。間部氏は中学生でのピロリ菌対策の意義について「中学生でも感染から１０年近くたっていて、とにかく早い除菌が必要。小学生だと大人と同じ治療ができない」などと述べた。

　市の検査は自己負担なしで受けられる。除菌は費用が掛かり、慢性胃炎などの病気にかかっている場合は保険適用となるが、中学生の除菌は適用外となる場合が多い。（津田恭平）