【音更】町内の国保加入者を対象とした特定健診の受診率が大幅に向上している。町保健センターによると、２０１４年度の受診率は前年度比８・０ポイント増の３４・８％となった。受診率を伸ばすため、個別の呼び掛けや保健指導など地道な取り組みが奏功した。

　特定健診は４０～７４歳の保険加入者を対象とした健康診断で、糖尿病や高脂血症、高尿酸血症などの生活習慣病の発症や重症化を予防する目的で実施。メタボリックシンドロームに特化した健診で「メタボ健診」とも呼ばれる。

　近年、生活習慣病が広く認知されていることもあり、過去５年間で受診率は少しずつ向上してきたが、昨年度に大幅に伸び３０％を超えた。年齢別に見ても、４０～６４歳が前年度比５ポイント増の２８・６％、６５～７４歳では同１０・５ポイント増の４０・５％だった。

　受診率が向上した背景には、個々の受診者に対して自分の体について理解を深めてもらうための工夫がある。昨年度から、健診の結果を保健センターまで取りに来てもらうようにした。これまでは自宅に送付していたが、結果を見ずに放置したり数値の見方が分からなかったりする受診者がいたため、一人一人に結果を説明し、必要に応じて保健師や栄養士による指導も行っている。保健指導を受けた人の中には「もっと早く知りたかった」と指導を受けて自分の体の状態に気付いた人もいたという。

　また、受診者の受診時期を一人ずつ確認し、連絡をして受診を促すなどきめ細かな対応も取った。食事管理では食品サンプルのような「フードモデル」を使用し、目で見ることでより反応してもらえるようになったという。

　健診は４０～６４歳が１０００円、６５～７４歳は５００円で受診できる。町保健センターは「健康に自信がある人ほど引っ掛かることが多い。健診を受けて日々の生活を見直してもらえれば」としている。