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十勝医師会(栗林秀樹会長、120人)は、町村の2次救急を担う救急告示医療機関の機能を補完するため、帯広の複数の基幹病院と疾患分野を限定した連携協力の覚書を3月上旬にも取り交わす準備を進めている。これまで不明確だった町村での2次救急体制の流れを整理し、強化するのが狙い。
現段階では、消化器系が帯広第一病院と帯広協会病院、脳外科系は北斗病院、循環器系は国立病院機構帯広病院と北斗病院、整形外科系は開西病院との連携協力を予定する。あくまで「努力義務」であることから今後、病院数が増減することもある。
十勝医師会は昨秋から、町村にある救急告示病院を含む全有床医療機関を対象に、救急が必要となる疾患を中心に領域別の医療機能について調査。「治療が可能」「精査・診断が全日できる」「精査・診断が夜間不可」「対応不可」に分けてまとめ、会員である町村開業医がより搬送判断をしやすいよう整理した。
管内町村の救急医療体制は、町村開業医らが「1次(家庭では処置できないが軽症)」、救急告示医療施設が「2次救急(入院や手術が必要)」をそれぞれ担うのが原則。栗林会長によると、町村の救急告示医療施設は13カ所あり、まずそこに運び、診られない場合は帯広の医療機関に搬送する流れになる。
ただ、町村では脳血管障害や急性心筋梗塞など分野によっては対応自体ができない施設が多い。「1・5次救急」とも呼ばれ、帯広の救急病院に直接搬送するかどうかは個人の開業医が判断しているのが現状という。
加えて、「『安全性を考え帯広に搬送する』といった状況もあるとされ、救急の搬送基準の明確化という点で課題となっていた」(栗林会長)。
帯広の2次救急は市が病院を当番医療機関に委託する形で実施されるなど明確化されているが、町村は今まで明文化されたものがなかったという。
栗林会長は「関係病院の負担を大きくせず、患者の迅速かつ的確な搬送・治療が可能になる。町村に住む人たちの健康不安を少しでも取り除きたい」としている。
(佐藤いづみ)