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共同研究の成功を誓い合う横山院長(右)と小林会長
帯広の横山内科クリニック(横山宏樹院長)など十勝管内の内科医と十勝歯科医師会(小林靖会長)が共同し、12月1日から糖尿病と歯周病の相関関係を調べる研究を行う。共同研究を通じ、医科と歯科が連携して住民の全身の健康を診る機運を盛り上げたい考え。研究自体も全国的に見て大規模なものを目指しており、両病気の関係の解明が期待される。
研究には内科側から同医院と藤田クリニック(池田、藤田昌紀院長)、忠類診療所(幕別、塩塚実所長)が参加、歯科側は同会会員の58歯科医院が協力する。内科医が糖尿病患者の同意を得た上で協力歯科医に紹介し、歯科医が歯周病の精密検査(歯周ポケットの深度測定など)を行う。検査結果は内科医に知らせる。
1次調査の期間は1年間で、糖尿病患者が歯周病に罹患(りかん)している割合などを調べる。参加する内科医、歯科医を増やしながら、2000人程度のデータを集めたい考え。追跡調査を行い、それぞれの疾患の治療が互いに与える効果などについても明らかにすることを目指す。
近年、歯の健康と全身の健康との関連が注目されるようになり、医科と歯科が連携した研究や治療の重要性が高まっている。糖尿病も歯周病と密接に関連していることが指摘されているが、どちらの疾患がもう一方に影響しているかなど、明らかになっていない点も多いという。
横山院長は「食べることは生きる力であり、患者が長く健康を維持するためには口の健康が大事。プライマリ・ケアを預かる立場としては、血糖値だけ診ていればいい時代ではない」とし、共同研究を「患者と内科医を刺激するきっかけに」と位置付ける。
小林会長も「日本歯科医師会では歯科医療を『生活を支える医療』と考えている。ただ口の中を治すだけではなく、例えば歯周病が進んでいる患者には糖尿病の可能性も知らせるなどして、全身の健康を維持できるよう連携していきたい」と話す。